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(注) 1.売上高には、消費税等(消費税及び地方消費税をいう。以下同じ。)を含んでおりません。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.2017年10月1日付けで普通株式10株につき普通株式1株の割合で株式併合を行っております。第100期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は当期純損失(△)を算定しております。
(注) 1.売上高には、消費税等を含んでおりません。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3. 2017年10月1日付けで普通株式10株につき普通株式1株の割合で株式併合を行っております。第100期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益又は当期純損失(△)を算定しております。
4. 第102期の1株当たり配当額27.50円の内訳は、株式併合前の中間配当額2.50円と株式併合後の期末配当額25.00円であります。
5.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所市場第一部におけるものであります。なお、第102期の株価については株式併合後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式併合前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社8社、非連結子会社4社、持分法適用関連会社6社、及び持分法非適用関連会社7社により構成され、紙パルプ製品の製造販売、発電事業を主な内容とし、さらに、セルロース・ナノファイバー関連製品の製造・販売、紙加工品の製造・販売、原材料等の供給、製品の断裁加工・選別包装、並びに製品の物流及びその他のサービス等の事業活動を展開しております。
当社グループの事業内容及び事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
紙・パルプ製造事業
発電事業
その他
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
連結子会社
(注) 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
その他の関係会社
(注) 1.「議決権の被所有割合」欄の〔内書〕は間接所有であります。
2. 有価証券報告書の提出会社であります。
持分法適用関連会社
(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.「議決権等の所有割合」欄の( )内は、内数で間接所有割合であります。
3. 中越パッケージ㈱は、2020年4月1日付けで本社を東京都文京区に移転しております。
2020年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。
2.発電事業につきましては、紙・パルプ製造事業と兼任しているため紙・パルプ製造事業に含めて表示しております。
2020年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)
であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.発電事業につきましては、紙・パルプ製造事業と兼任しているため紙・パルプ製造事業に含めて表示しております。
当社及び連結子会社では、下記の表のとおり労働組合を組織している会社が4社あり、これらの労働組合にて「中越紙パルプ労働組合協議会」を組織しております。
また、中越パルプ労働組合、三善製紙労働組合は、「日本紙パルプ紙加工産業労働組合連合会」に加盟しております。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、永続的発展のため、ひたむきに人を大切にしたものづくりに努め、国際競争を勝ち抜く、強い企業創りを目指しております。
その実現のため、経営理念に“愛され信頼される企業に”を第一に掲げ、コンプライアンスに徹し、真摯で誠実な企業活動を旨として、品質第一主義と弛まざる技術革新で顧客満足を希求するとともに、地域社会との共存共栄を図ってまいります。さらに企業の社会的責任の視点に立って、環境と社会に貢献し、向上心あふれる働きがいのある会社づくりに励み、企業価値を高めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中期3ヶ年計画「フォワード304」で企業価値の向上を実現することを基本方針に、事業領域の選択と創造により、営業利益30億円、ROE(株主資本利益率)4%の収益基盤の確立を目指してまいります。
(3) 会社の経営戦略
当社グループは、2017年度を最終年度とした中長期成長戦略プラン「ネクストステージ50」で培った経営資源を最大限に活かしながら、いかなる情勢の変化にも対応し、リスクを吸収できるしなやかな企業グループを築くため、中期3ヶ年計画「フォワード304」の取り組みを2018年度より開始いたしました。事業領域の選択と創造により、企業価値向上の実現を基本方針として、掲げた事業戦略の取り組みを推進しております。
当社は紙パルプ製造事業を基に、原料調達ソースを活かし、未利用間伐材を主に国産材のみを燃料とする、木質バイオマス燃料発電設備によるエネルギー事業や、「竹紙」と「里山物語」に代表される環境配慮型製品の提供により、森林資源の有効利用を進め、里山保全と森林価値の向上に努めてまいりました。
新たな事業戦略におきましては、使い捨てプラスチック問題や地球温暖化などの地球規模の環境課題への取り組みとして、長年にわたり培ってきた当社の持つパルプや紙の製造技術を活用し、これまでにない新しい価値の提供を目指しております。
セルロース・ナノファイバー(CNF)は、川内工場内の第一期商業プラントの稼働により「nanoforest®」ブランドとして認知度を高めてまいりました。更に、高岡工場において高機能セルロース・ナノファイバーパイロットプラントの建設計画を具体化し、新たな用途拡大に向けた取り組みを展開いたします。
また、株式会社環境経営総合研究所との合弁で設立した「中越エコプロダクツ株式会社」においては、高岡工場内に新素材「マプカ(MAPKA®)」シート製造工場を新設いたします。株式会社環境経営総合研究所のパウダー化技術、合成樹脂との混成技術と当社の紙製造技術の融合により、従来のプラスチックトレイの機能性・加工適性は同等に、合成樹脂の使用量を半分以下に削減できる、他にはない製品の供給体制を整えてまいります。
当社グループは、SDGsの掲げる目標達成に向け、事業戦略の推進により“中パらしさ”を追求することで、現代社会の抱える課題解決の一翼を担い、持続可能な社会の実現の一助となるべく取り組みを続けてまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
紙パルプ事業を取り巻く環境は電子媒体へのシフトや少子・高齢化による構造的問題のため今後も一層厳しい情勢が予想されます。
また、年の初めから新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、外国人観光客の激減によるインバウンド効果の喪失、緊急事態宣言の発令による外出自粛や経済活動の低迷、さらには東京オリンピック、パラリンピックが1年延期されるなど個人、企業を問わず社会全体に大きな影を落としています。
このような状況のなか、当社グループにとっては、中期3ヶ年計画「フォワード304」の最終年度にあたります。事業領域の選択と創造により、企業価値向上の実現を基本方針として、営業利益30億円、ROE4%の収益基盤を確立するため、総力を挙げて各事業戦略に基づく施策を実施してまいります。
① 事業活動の基本
経営の健全性と透明性を高めるため、コンプライアンスに徹し、コーポレートガバナンス体制を一層充実させてまいります。
また操業面では、安全最優先とする基本行動のもと、完全無災害と環境事故ゼロの完遂を実現し、安定操業と品質の安定によるコストダウンの最大化に取り組んでまいります。
② グループ事業領域の再構築
紙・パルプ事業を取り巻く環境は電子化だけでなく、働き方改革や今回の新型コロナウイルス感染症による影響でますます厳しい状況になっております。販売面では市場動向を的確に把握し、状況の変化に迅速に対応してまいります。
海洋プラスチック問題に端を発した脱プラスチックへの意識が高まるなか、使い捨てプラスチック代替需要の獲得のため、O&Cアイボリーボード株式会社における高板・加工原紙事業の一層の効率操業と品質の安定化によるコストダウンを進めるとともに、食品容器用途への展開や新規分野への参入も含め強力に進め収益力ある体制を構築してまいります。
また所有する不動産の有効活用、不採算事業の選択と集中につきましても引き続き検討を重ねて、収益向上の実現に向けて取り組んでまいります。
③ 合弁事業の早期稼働
パウダー状に粉砕したセルロース・ファイバーを主として、合成樹脂を混合した新素材「MAPKA®」(マプカ)、そのシートを製造する工場の建設を当社高岡工場内に本年秋の竣工に向けて工事を進めております。
世界的規模で海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックによる環境汚染が問題となっている今、ポストプラスチック素材としての地位を確立し、食品トレー向けへの普及拡大に向けて取り組んでまいります。
特に本プロジェクトにおいては、プラスチック問題や石油由来の資源の削減、温室効果ガスの排出抑制などの環境、気候変動問題といった観点からだけでなく、食品ロス問題の取り組みとして長期保存可能な酸素バリア性を有するマプカシートの製造を行い、地域農産品を使った食材向けに提供することで、地域創生にも貢献してまいりたいと考えております。
④ ナノフォレスト事業展開
音響機器や卓球ラケット、和楽器への採用など当社セルロース・ナノファイバー(以下CNF)「nanoforest®」は様々な分野での利用が進んでおります。また、医療、化粧品、工業製品など様々な分野への展開を図るため、高岡工場内に高機能CNFパイロットプラントを今後設置する予定です。
CNF樹脂製品の展開・強化とともに、CNFの応用分野の拡充と営業展開で、事業基盤の早期確立を目指してまいります。
⑤ 発電事業の安定操業継続
当社の木質バイオマス燃料発電事業は、未利用材や間伐材を使用するクリーンな発電事業で、再生可能エネルギーの有効活用や地域における雇用創生など、地球規模での環境保全、地域社会への貢献に寄与しております。当社が長年にわたり培った木材資源活用のノウハウを活かして、木質バイオマス燃料のさらなる安定集荷による発電事業の安定操業を維持し、収益確保に取り組んでまいります。
当社グループは、環境問題への対応、社会、コーポレートガバナンス体制の一層の取り組みを強化し、紙を創造する技術を活かした新素材の開発、森林資源の活用、再生可能エネルギーの利用促進、健康経営の推進など多様な観点からSDGs(持続可能な開発目標)の実現に向け取り組んでまいります。
※「MAPKA」は株式会社環境経営総合研究所の登録商標です。
※「nanoforest」は当社が製造したCNFの登録商標です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 国内需要及び市況の変動リスク
当社グループの売上高の8割を占める紙・パルプ製造事業は概ね内需型産業であり、国内景気の影響を大きく受けます。国内景気の浮沈による国内需要の動向や市況価格の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。紙の国内需要については既に減少傾向にあり、当該リスクへの対応を喫緊の課題として認識して、中期3ヶ年計画「フォワード304」でグループ事業領域の再構築を計画し、紙からパルプへの転換やパルプ販売ラインナップの拡充に努めております。
② 原材料購入価格の変動リスク
当社グループはチップ、重油、古紙、薬品などの諸原燃材料を購入しておりますが、それぞれの国際市況、国内市況の変動により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 為替レートの変動リスク
当社グループの輸出入取引は殆どが輸入取引であり、このため当該国との取引通貨が為替変動することにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 金利の変動リスク
当社グループは、従来より有利子負債の圧縮やグループファイナンスによる資金の効率化に取り組んでおりますが、今後の金利の変動によっては経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 災害リスク
天変地異などの自然災害、テロなどの人的災害などによって、当社グループの生産設備に多大な被害を被ることにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応としてBCP(事業継続計画)を策定中です。
⑥ 新型コロナウイルス感染症のリスク
世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大影響による需要減少、当社グループの従業員が新型コロナウイルスに感染した場合や、政府・地域行政機関からの要請等により、生産活動を一時的に停止した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。拡大する感染症への対策として、当社グループでは新型コロナウイルスの拡散防止と社員の健康・安全・雇用確保を最優先に、国内拠点の一部において在宅勤務を推進しております。工場での生産活動につきましては、政府や地域行政機関の方針に従い、感染防止に留意しながら稼働を継続しております。また、設備更新工事において、密集・密接・密閉の3密となるリスクが高い一部工事については、延期や工期の延長等を行い、感染リスクを低減する対策を行っております。
⑦ 訴訟リスク
当社グループの事業活動の遂行に当たっては、様々な法規制の適用下にあって、それらによる訴訟等のリスクにさらされる可能性があり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 偶発債務
当社グループは、上記以外の項目に関しても偶発債務に起因する損失が発生するリスクがあり、その結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
紙パルプ業界を取り巻く環境は、電子媒体へのシフトや少子・高齢化による構造的問題のため今後も一層厳しい情勢が続くことが予想されます。
このような状況下、当社グループは、いかなる情勢の変化にも対応し、リスクを吸収できるしなやかな企業グループの基盤を構築するため、中期3ヶ年計画『フォワード304』を策定し、2020年度末に営業利益30億円、ROE4%の収益基盤の確立に向けて取り組んでおります。安定操業を第一にパルプ事業の強化や新たな紙の価値を創造し、基幹事業である紙パルプ事業の収益基盤強化の取組みを進めています。2017年10月に営業運転を開始したO&Cアイボリーボード株式会社の高板・加工原紙事業の収益基盤強化を図り、当社が得意とする食品容器分野において、脱プラスチックへの時代の流れとともに需要開拓を強力に進め、高効率操業を達成して、早期に収益貢献できる体制の構築に取り組んでおります。また、当社高岡工場内に高機能CNFパイロットプラントの建設を予定しております。さらに当社高岡工場内に重量ベース51%以上の紙パウダーと合成樹脂とを混合したプラスチックでも紙でもない新素材「マプカ」の製造工場を2020年秋竣工に向けて建設中であります。高付加価値な製品を安定的に生産する体制を整備するとともに、新規事業分野の開拓を積極的に展開してまいります。
当期の経営成績につきましては、前期と比較し、パルプ市況軟化や紙・パルプ販売数量減の影響により減収となりましたが、印刷用紙等の価格復元や安定操業の取組みにより増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は95,140百万円(前年同期比1.6%減収)となり、営業利益は2,057百万円(前年同期は397百万円の営業損失)、経常利益は1,985百万円(前年同期は121百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は919百万円(前年同期比27.4%増益)となりました。
事業の種類別セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(紙・パルプ製造事業)
◎ 新聞用紙
新聞用紙の販売につきましては、新聞各社の発行部数の減少と広告減が影響した頁数の減少に歯止めがかからない状況が続いており、数量・金額ともに前年を下回りました。
◎ 印刷用紙
印刷用紙の販売につきましては、紙媒体から電子媒体へのシフト等による国内需要減少や、米中貿易摩擦の影響を受け輸出が減少したことにより数量は前年を下回りましたが、価格復元が通期で寄与したため金額は前年を上回りました。
◎ 包装用紙
包装用紙の販売につきましては、米麦袋のフレコン化、作付面積の減少の影響を受けて国内販売量は前年を下回りましたが、販売価格の復元が収益に寄与しました。
◎ 特殊紙・板紙及び加工品等
特殊紙・板紙及び加工品等の販売につきましては、需要が堅調な壁紙等で拡販に取組んだことやO&Cアイボリーボード株式会社への高板・加工原紙の生産移管が進展した結果、数量・金額ともに前年並みを確保しました。
◎ パルプ
パルプの販売につきましては、当社川内工場の停止が前年と比較し長期間であったことや、海外のパルプ市況の軟化もあり数量・金額とも前年を下回りました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 83,437百万円(前年同期比1.9%減収)
連結営業利益 518百万円(前年同期は1,982百万円の連結営業損失)
(発電事業)
発電事業につきましては、安定操業に努め前年並みの売上となりました。しかしながら、当社生産本部二塚製造部において隔年で行っているボイラーの定期検査があったことにより減益となりました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 6,983百万円(前年同期比0.8%増収)
連結営業利益 1,295百万円(前年同期比1.5%減益)
(その他)
建設部門で好調な受注が寄与したことなどで増収となりましたが、紙・パルプ製造事業の生産・販売数量が減少した影響を固定費削減等で補いきれず若干減益となりました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 19,648百万円(前年同期比0.9%増収)
連結営業利益 159百万円(前年同期比2.0%減益)
財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,813百万円減少し、120,833百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,816百万円減少し、72,368百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3百万円増加し、48,464百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,303百万円増加し、7,222百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は8,344百万円(前連結会計年度比32.0%増加)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純利益1,429百万円、減価償却費6,980百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4,651百万円(前連結会計年度比52.0%増加)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出5,671百万円、長期貸付金の回収による収入675百万円、短期貸付金の純増減額による収入392百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,387百万円(前連結会計年度比13.7%増加)となりました。
これは主として長期借入金の返済による支出5,292百万円、長期借入による収入3,200百万円などによるものです。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) パルプは未晒総生産量であり自家消費量を含んでおります。
当社グループは、大部分が市況を勘案した見込み生産を行っており、グループ全体の受注状況を把握することは困難であるため、該当事項については記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等を含んでおりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響等は正確に見積ることが困難でありますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う事業活動への影響は概ね半年程度続くと仮定し、繰延税金資産の回収可能性などに係る会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の計上額の見積りは、合理的な仮定に基づき、将来の課税所得を見積ることとしており、回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高は95,140百万円と前期に比べ1,576百万円(1.6%)の減収となりました。営業利益は、2,057百万円と前期に比べ2,454百万円の増益(前年同期は397百万円の営業損失)、経常利益は、1,985百万円と前期に比べ1,864百万円の増益(前年同期は121百万円の経常利益)となりました。
また、固定資産の除却損310百万円のほか、株式市況の低迷による保有株式の株価下落の影響で投資有価証券の評価損290百万円を特別損失に計上し、その他税金費用を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は919百万円と前期に比べ197百万円(27.4%)の増益となりました。
セグメント別の売上高については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
電子媒体へのシフト等による紙の需要構造の変化、少子・高齢化による内需の落ち込みなど、今後紙需要の拡大が見込めないなか、当社グループは、発電事業の安定操業や高級白板紙の事業基盤の強化、CNFの開発促進など、ネクストステージ50で培った経営資源を最大限活かして収益確保に邁進するとともに、将来の需給環境をはじめ、いかなる事業環境の変化の下にあっても、常に成長を志向できる企業体質の基盤を築くため、中期3ヶ年計画「フォワード304」効果の最大化を目指してまいります。
④ 経営戦略の現状と見通し
当社グループはいかなる情勢の変化にも対応し、リスクを吸収できるしなやかな企業グループの基盤を築くため、中期3ヶ年計画『フォワード304』を2018年5月に策定し、2020年度末に、営業利益30億円、ROE4%の収益基盤の確立に向け取り組みを開始しております。
中期3ヶ年計画の2年目となる当期は、印刷用紙等の価格復元や安定操業の取り組みにより2,057百万円の連結営業利益となり、ROEは1.9%となりました。
今後も安定操業を第一にパルプ事業の強化や新たな紙の価値を創造し、基幹事業である紙・パルプ製造事業の収益基盤強化に取り組むと共に、『フォワード304』で掲げた事業戦略を着実に実行し、中期3ヶ年計画の達成を目指してまいります。
紙・パルプ製造事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響は、当期にはほとんどありませんでしたが、来期につきましては、景気低迷もあり、日本製紙連合会統計の2020年4月度紙国内出荷が対前年約14%減となり、この減少傾向がいつまで継続するか不明のため、今後の年間見通しについては、困難な状況であります。発電事業においては、現時点では新型コロナウイルス感染症の影響はほとんどございません。
⑤ 財政状態及びキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2.3%減少し、120,833百万円となりました。これは有形固定資産が減価償却などにより1,032百万円減少したことや、関係会社長期貸付金の回収などにより投資その他の資産が2,135百万円減少したことなどによります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3.7%減少し、72,368百万円となりました。これは主として、金融機関からの借入金が1,692百万円、支払手形および買掛金が1,513百万円減少したことなどによります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べほぼ横這いの48,464百万円となりました。これは主として親会社株主に帰属する当期純利益919百万円、配当金の支払い667百万円により利益剰余金は251百万円増加しましたが、その他有価証券評価差額金が268百万円減少したことなどによります。また自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.9ポイント増加し40.1%となりました。
当社グループのキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループの資金計画は、設備投資資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、銀行借入やコミットメントラインの利用などによって流動性を保持しております。今後の主な設備投資資金需要として、高機能性のあるセルロースナノファイバーの量産化へ向けたパイロットプラントの建設(投資総額24億円)を予定しております。
また、当社グループはCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、資金融通を行うことで資金効率を高めております。
当社グループの当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度末に比べ1,303百万円増加し、7,222百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の金融機関からの借入金の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
資金につきましては、手元預金の増加(2019年3月:59億円⇒2020年3月末72億円)や緊急時の資金手配が可能なコミットメントライン枠の増加(49.5億円⇒75億円)などの対応を進めており、新型コロナウイルス感染症などの不測の事態に備えております。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、常に市場ニーズに密着し、創造的で信頼性の高い技術をもって、人と環境にやさしい「紙」の開発と安定した製品の供給により、経済・社会・文化の発展に寄与することを社会的使命と認識し「紙」の文化の創造に果敢に挑戦しております。
そして、「株主重視」「顧客重視」に心がけ、当社グループの総合力に対する信頼性と収益性の確保・向上を目指し、株主・顧客・地域社会・社員・企業の共存共栄を図るとともに、社会に対する貢献を重点に企業活動を行なってまいります。
また、グローバル化に対応し、迅速な情報開示に努め、透明な経営姿勢を保ち、加えて効率的な連結経営を行なうことで、国際競争力の強化を図り、当社グループの存在価値を高めてまいります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発、商品開発のコンセプトは、21世紀の激動する地球自然環境や社会の変化にいち早く対応しながら、社会的責任を果たす企業を目指すこと、さらには、社会に貢献し得る新素材・新製品の創製に努めることでございます。
現代社会では、会社を取巻く経営環境が日々目まぐるしく変化し、自社に保有しない新規分野の専門的知見や経験が必要となっています。このような状況下でコンセプトを達成するために、外部の機関、即ち大学、研究機関、公設試、他業種の企業と連携し技術や情報を共有しながら研究開発を進めています。
取組みとしてセルロースナノファイバー、マプカへの展開を現在強力に推し進めております。更には新たな脱プラスチックのため紙、パルプを利用した展開等に対して全社取組みとしても進めているところです。
当連結会計年度の研究開発費は
研究開発活動は、当社の開発部、生産本部、工場技術研究部門及び連結子会社技術研究部門が連携して行っております。
具体的な研究開発活動は次のとおりであります。
1.紙製品への展開
(1) 環境対策新製品の開発
・機能性を持つ天然資源を活用した高付加価値製品の開発
(2) 現行品の品質改善
・新聞用紙の更なる軽量化
・軽くてしなやかな嵩高印刷用紙の開発
・特殊機能を付与した食品用途紙の開発
(3) 新規市場の開拓
・製造工程紙や緩衝材などの開発
2.天然資源の高度活用技術開発への展開
(1) CNF:ナノフォレストの用途展開
・ナノ化及び樹脂化製造技術及び応用技術の更なる開発(プラスチック用樹脂への展開強化)
・高機能CNFパイロットプラントの建設計画推進、及び多分野における用途開発
(2) CO₂削減に貢献できる紙パウダーを主原料に合成樹脂を混合した非プラスチック
・成形材料開発及びシート製品のグレード開発、多分野への応用開発
(3) 新分野へのパルプの利用拡大
3.脱プラスチックへの取組
①プラスチック素材の性能を持つ紙の開発
②プラスチックが材料として使用される用途で材料を紙に置換
③プラスチックの素材の一部に紙やパルプを配合し、プラ比率の削減(マプカ等)
※ マプカ製造設備 2020年秋竣工予定
④プラスチック製品を紙製品に置換
当社グループは、当連結会計年度に
主なものは当社川内工場の6号回収ボイラ水冷壁更新工事(第2期)、6号回収ボイラ低圧給水加熱器更新工事、当社高岡工場の6号抄紙機BM計更新工事、1号調成設備建屋屋根壁更新工事で、新規事業、収益性の向上および生産性を維持するための工事を行っております。
重要な設備の除却、売却等はありません。
2020年3月31日現在
(注) 1.上記金額及び(注)5.の金額には、消費税等を含んでおりません。
2.「その他」は、工具器具備品であります。
3.土地(※印)には山林用地7,852,418㎡を含んでおります。
4.( )内は外数で連結会社以外から賃借中のものであり、< >内は内数で連結会社以外へ賃貸中のものであります。
5.リース契約による主な賃借設備は次のとおりであります。
2020年3月31日現在
(注) 1.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2.「その他」は、工具器具備品であります。
3.< >内は内数で連結会社以外へ賃貸中のものであります。
重要な設備の新設
(注) 上記金額には、消費税等を含んでおりません。
重要な設備の除却あるいは売却の計画はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 1.有償第三者割当 発行価格190.0円 資本組入額95.0円
割当先 王子ホールディングス株式会社
2.2017年6月28日開催の第101期定時株主総会決議により、2017年10月1日付で当社普通株式10株を1株に併合いたしました。これにより、発行済株式総数は120,192,195株減少し、13,354,688株となっております。
2020年3月31日現在
(注) 自己株式は3,611株であり、「個人その他」欄に36単元及び「単元未満株式の状況」欄に11株を含めて記載しております。
2020年3月31日現在
(注) 1.千株未満は、切り捨てて表示しております。
2.上記日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)、日本トラスティ・サービス信託銀行株式
会社(信託口4)、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式は信託業務に係る株式であります。
2020年3月31日現在
2020年3月31日現在
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 当期間における取得自己株式には、2020年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
(注) 当期間における保有自己株式には、2020年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
当社は、業績の状況や企業体質の強化ならびに今後の事業展開等を勘案しながら内部留保にも意を用いるとともに、株主各位に対する利益還元のため、中間・期末の年2回の安定配当の実施を基本方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、継続的な安定配当の基本方針のもと、1株当たり25円00銭、中間配当金(25円00銭)と合わせて50円としております。
内部留保資金につきましては、安定的な経営基盤の確保と今後の事業展開に向けた投資などに役立てる予定であります。
現段階において、経営責任の明確化と経営の透明性を確保するためにも株主総会において、剰余金の配当等の決議を諮ることが適切であると考えておりますので、当社は、定款に会社法第459条第1項に規定する剰余金の配当等を取締役会の決議により行う旨の定めを設けておりません。
なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款で定めております。
これからも株価の動向や財務状況を考慮しながら適切に対応してまいります。
なお、第104期の剰余金の配当は以下のとおりです。